トップへ戻るTOP

就業時間中の態度、言動が悪いことを理由に行った即時解雇に対し金銭解決を求められた事例

このあっせん事例のポイント!

就業時間中の態度や言動が悪い場合には、改善を促す注意を継続的に行わず、注意しなくなると、その本人は改善しなくてはいけないことに全く気づかず、エスカレートすることがあります。

さらにそれらの言動が就業環境に悪影響を及ぼし、他の従業員が疲弊する可能性もあります。

特に注意もせず、放置している状況下で、突然の解雇を言い渡せば、当事者が解雇の理由が分からず、あっせんの訴えを起こされることがあります。

何度注意しても分からないと放置するのではなく、注意の仕方を工夫したり、方法を変えてみる、注意したことの記録を残す、注意してほしい点を文書にして改善命令を下し、再三にわたり改善を促す等、会社としてできることをすべて尽くすことが大切と思います。

このような従業員を抱えられた場合には、すぐに解雇に踏み切る前に、弊所にご相談ください。

 

申請事案の概要

Aさんは、B社のパートタイム社員として入社し、1年後に社内のパートタイム社員をまとめる役割も任命されておりましたが、その約半年後に、即時解雇されました。

B社としては、かねてからAさんの業務態度、言動に不満を持っていましたが、解雇通告時に解雇理由を明確に告げることなく、その場で解雇予告手当を支払わなかったため、B社はあっせん申請を受けることになりました。

Aさんからは、即時解雇を受けたことに加えて、日常的にパワハラ、モラハラを受けたという理由で数百万の請求を受けましたが、あっせんの結果、解雇予告手当の金額と合わせて、年次有給休暇の残日数分の合計金額(数十万)を支払うことで和解が成立しました。

 

あっせんの要点

Point1

B社は、Aさんの日常的な言動、態度に不満を持ち、あることがきっかけに怒りが頂点に達して即時解雇し、その場はAさんを解雇できたことにほっとしたかもしれません。

しかし、後日、Aさんから解雇理由証明書の発行依頼も無視しまったため、あっせんに発展してしまいました。

解雇すれば終わりで、その後はすべて無視してしまってよいと思われる会社も多いかもしれませんが、解雇された方も黙ってはいない時代だということに気づく必要があります。

 

Point2

初期段階では口頭での注意を行っておりましたが、次第に注意を行うことをあきらめてしまいました。

注意しなくなったことで、Aさんは、自分の業務姿勢は悪くなく良いものだと思い込み、負のスパイラルが生まれてしまいました。注意することは面倒で大変なことではありますが、周りにいる従業員の就業意欲にも影響を及ぼしますので、改善されるまで丁寧に継続的に行うことが重要となります。

 

Point3

即時解雇ではなく、退職勧奨を行い、あらかじめ解雇予告手当も計算し、それ以上の金額を手渡せるようにしておくことも重要と思います。