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外国人労働者の雇用ルール

近年、少子高齢化や労働人口の減少という背景で、高い能力を持つ従業員であれば、国籍を問わないという考え方の企業が増え、優れた外国人の雇用が一般的になってきています。

日本の中小企業もビジネスのグローバル化を推進するため、積極的に外国人の雇用を進めています。

市場のグローバル化に伴い、大企業だけでなく中小企業も、生産拠点を海外に移したり、新たな外国市場に参入したりすることが求められています。

今後も外国人労働者の雇用はますます増え、外国人労働者の存在は経済全体にとって大きな支えとなっていくことが予想されます。

 

「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年 10 月末現在)によると、外国人労働者の数はここ8年で2倍になっております。また、在留資格には「技能実習」、「専門的・技術的分野の在留資格」の割合も多く、労働力として外国人が活躍し始めている状況がわかります。

 

引用/厚生労働省「在留資格別外国人労働者数の推移

 

外国人労働者雇用のポイント

労働関係諸法令の遵守

外国人労働者を雇用する場合には、日本人労働者と同じように法律や規制に則って適正に雇用することが求められます。

つまり、賃金や労働時間、休憩時間や休暇などの労働条件の設定においては、日本人労働者と同様に適用しなければなりません。外国人労働者が、日本人労働者と同じ業務を行う場合、同等の賃金を支払うことが求められます。

外国人労働者だからといって、賃金や労働条件、福利厚生などにおいて、差別的な扱いをしてはいけません。

 

在留資格の確認

外国人労働者が日本で働くためには、在留資格の取得が必要です。

在留資格には、許可された活動内容や在留期間などが関連しており、これらを正確に理解し、適切に管理する必要があります。

また、在留資格には在留期間が定められている場合がありますので、在留期限が近づいたら、在留期間の更新申請手続きを行う必要があります。定められた手続きや期限に従い、更新手続きを適切に実施しましょう。在留期間に応じて雇用契約期間を調整する必要がある場合もあります。

さらに各在留資格には活動範囲が明確に定められており、許可された範囲を超えて業務に従事すると不法就労とみなされます。在留資格によっては、国内での労働が認められていない資格もあるため注意が必要です。

不法就労の場合、罰せられるのは外国人労働者だけでなく、雇用している企業も不法就労助長罪に問われる可能性があります。

外国人労働者の在留資格について正確に把握し、適切な対応が必要になります。

 

雇用契約書と労働条件の明示

外国人労働者を採用する際には、日本人労働者と同様に雇用契約書の締結と労働条件の明確化が必要です。

外国人労働者の場合、重要な点はその外国人労働者が雇用契約書や労働条件の内容を十分に理解しているかどうかです。外国人労働者が雇用契約や労働条件について理解不足だと、トラブルの原因となり、最悪の場合は離職してしまう可能性もあります。

このような事態を避けるためには、雇用契約書と労働条件を明確に示す必要があります。

具体的には、外国人労働者でも理解できる簡単な日本語で書かれた文書や、母国語や英語での記載も用意することが重要です。

また、単に書面を渡すだけでなく、口頭でも詳細に説明し、質問がある場合はすぐに対応できるような機会を設けることもおすすめします。

離職だけでなく、訴訟にまで発展する可能性もあるため十分に注意が必要です。

 

 

日本語能力の確認

優れた技術を持っていても、日本語のスキルが低い場合は、日本の企業で力を発揮することが難しくなります。他の労働者とのコミュニケーションに問題が生じ、発注ミスやスケジュールの調整ミスなどが起こる可能性があります。言葉を話せて理解できることは、業務をスムーズに進めるために重要です。

日本語のスキルは、JLPT(日本語能力試験)の認定レベルで評価されます。N1からN5までのレベルがあり、N5が初級でN1が最上級のレベルとなります。

一般的な企業でのビジネスでは、N1かN2の日本語能力が求められることが多いです。自社の業務内容に応じて、求める日本語のレベルを確認しましょう。

 


外国人労働者を雇用する場合には、法律や規制に則り、適正な手続きを踏むことが不可欠です。外国人労働者との良好な雇用関係を築くためには、文化や言語の違いに配慮し、コミュニケーションを行うことも重要です。

外国人労働者との雇用関係が円滑に進むように、正しい雇用ルールで労務環境を整備し、外国人労働者の能力を最大限に引き出すことが求められます。

 

 

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